週足チャート
日足チャート
4時間足チャート
1. ファンダメンタルズ分析
2026年7月のドル円相場は、6月から続く歴史的な円安と、日本政府による為替介入警戒が最大のテーマとなりました。
6月末にドル円が162円台へ上昇した流れを引き継ぎ、7月も円売り圧力が続き、一時163円台後半まで円安が進行しました。
月初には、日本の財務相が円安進行に対して改めて強い警戒感を示し、必要に応じて適切な対応を取る姿勢を強調しました。
ドル円が約40年ぶりの高値圏にあることから、市場ではいつ円買い介入が入ってもおかしくないという緊張感が続きました。
米国では、6月まで強まっていたFRBの利上げ観測が7月前半にやや後退する場面がありました。
米雇用関連指標が弱含んだことで、早期利上げへの期待が後退し、ドルが一時的に売られる局面も見られました。
しかし月後半になると、原油価格上昇やインフレ再加速への警戒から、再びFRBのタカ派姿勢が意識されました。
7月末のFOMCを前に、市場では利上げ可能性も一定程度織り込まれ、米国債利回りの上昇がドルを下支えしました。
日本側では、6月に日銀が政策金利を1.00%へ引き上げたものの、円安抑制効果は限定的でした。
市場では、日銀が追加利上げに慎重である限り、日米金利差を背景とした円売りが続くとの見方が優勢となりました。
7月末には状況が大きく変化しました。
ドル円が一時163.99円付近まで上昇する中、日本当局による大規模な円買い介入が実施されたとの観測が広がり、ドル円は短時間で大きく下落しました。
さらに7月30日から31日にかけては、日本と米国が協調して円買い介入を行ったとみられ、市場の注目を集めました。
日本単独ではなく米国も円安是正に関与する姿勢が示されたことで、円売りポジションに対する警戒感が一段と強まりました。
2. 地政学リスク・政治リスク
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日本政府による為替介入
7月最大のリスクイベントは、日本政府による円買い介入でした。
163円台後半まで進んだ円安に対し、大規模な介入が実施されたとみられ、ドル円は短時間で急落しました。 -
日米協調介入への警戒
7月末には米国も円買い介入に関与したとみられました。
日本単独介入よりも市場への心理的影響が大きく、160円台後半から164円付近では円売りポジションを長期間保有するリスクが高まりました。 -
米国による円安への懸念
米財務省は円の著しい下落やボラティリティに懸念を示し、日銀に金融正常化を進めるよう促しました。
円安が日米間の政策課題として扱われるようになったことは、従来よりも重要な変化です。 -
中東情勢と原油価格
中東情勢の緊張から原油価格が高止まりし、日本の輸入コスト増加が円売り材料となりました。
一方、エネルギー価格上昇によるインフレ圧力は日銀の追加利上げ観測を高めるため、円相場に複雑な影響を与えました。 -
日本の財政政策
政府による積極財政への警戒や国債利回り上昇も円相場の重石となりました。
金融引き締めと財政拡張が同時に進む政策の組み合わせに対し、市場では長期的な円の信認を巡る議論も強まりました。
3. テクニカル分析
| 時間軸 | 主要ポイント |
|---|---|
| 週足 | 6月の160円突破後も上昇基調が継続し、一時164円付近まで上昇。ただし月末の為替介入によって大きな上ヒゲが形成され、高値圏での反転リスクが意識された。 |
| 日足 | 162円台を維持しながら163円台後半まで上昇したものの、介入観測後に急落。160円前後が重要な攻防水準へ変化した。 |
| 4時間足 | 163.50円〜164.00円が強い上値抵抗として意識される一方、介入後は158円〜160円付近が下値支持帯として注目された。 |
4. 注目経済指標
| 注目イベント | 影響度 | ポイント |
|---|---|---|
| 日本政府・財務省の為替介入 | ★★★★★ | 7月末に大規模な円買い介入が行われたとみられ、ドル円が短時間で急落。高値圏で最大のリスク要因となった。 |
| FOMC | ★★★★★ | 原油高やインフレ警戒を背景に、FRBの利上げ観測が継続。政策金利見通しや議長発言がドルの方向性を左右した。 |
| 日銀金融政策決定会合 | ★★★★★ | 政策金利を1.00%で据え置き。一方で、インフレ上振れリスクへの警戒から今後の追加利上げ観測が強まった。 |
| 米雇用統計 | ★★★★★ | 雇用の弱含みはFRBの利上げ観測を後退させ、ドル売り材料となる一方、強い結果なら再びドル買いが強まりやすい。 |
| 米CPI・PCE | ★★★★★ | インフレ再加速が確認されればFRB利上げ観測が強まり、ドル円上昇要因。鈍化すればドル売り材料となる。 |
| 原油価格・中東情勢 | ★★★★☆ | 原油高は日本の輸入コスト増加を通じて円安材料となる一方、日銀追加利上げ期待を強める可能性もある。 |
5. 7月の戦略シナリオ
| シナリオ | 注目水準 |
|---|---|
| 強気シナリオ | 160円台を回復・維持し、再び162円台を突破する場合は163.50円〜164.00円方向を試す展開。ただし介入警戒から高値追いには注意。 |
| レンジシナリオ | 158.00円〜162.00円を中心とした広いレンジ。FRB利上げ観測、日銀追加利上げ観測、為替介入警戒が交錯する展開。 |
| 弱気シナリオ | 158.00円を明確に割り込む場合、156.00円〜155.00円方向への調整を警戒。追加介入が行われれば下落が加速する可能性がある。 |
リスク管理
- 7月末の介入によって、高値圏のドル円では数円規模の急落がいつ発生してもおかしくない環境となった。
- 160円を超えているからといって、従来のように一方向の円安が続くとは判断しない。
- 日本単独だけでなく日米協調介入の可能性も意識し、164円付近でのロング追随は特に慎重に判断する。
- FOMCと日銀会合が接近する場合、日米金利差への見方が短期間で大きく変化する可能性がある。
- 介入後は値幅が拡大しやすいため、通常よりロットを落として取引する。
- 財務省・米財務省・日銀関係者の発言だけでも短期的な円高が発生する可能性があるため、ヘッドラインリスクに注意する。
- 1回の取引で総資金の2%以上を失わないよう、損切り位置とポジションサイズを事前に決める。
2026年7月のドル円相場は、6月から続いた歴史的な円安がさらに進行し、一時163円台後半まで上昇しました。
日銀が6月に政策金利を1.00%まで引き上げても円安は止まらず、日米金利差や原油高を背景に円売りが継続しました。
しかし、7月末には大きな転換が起こりました。
日本政府による大規模な円買い介入が実施されたとみられ、ドル円は短時間で急落しました。
さらに米国も円安是正への関与を強めたことで、「日本単独の介入」から「日米で円安を問題視する局面」へ市場環境が変化しました。
このため7月は、ドル円が164円付近まで上昇したこと以上に、「どこまで上昇すれば介入されるのか」という市場心理が大きく変化した月といえます。
これまで押し目買い中心だった相場にも、介入による急落を警戒して高値で利益確定する動きが入りやすくなりました。
8月に向けては、158円〜162円を中心とした値動きを想定しつつ、再び162円台から164円方向へ上昇する場合は追加介入への警戒が必要です。
一方、日銀の追加利上げ観測が強まり、米国の利上げ期待が後退する場合には円高方向への調整が長期化する可能性もあり、7月までの単純な円売り相場から相場構造が変化し始めている点に注意したい局面です。