週足チャート

日足チャート

4時間足チャート


1. ファンダメンタルズ分析

2026年3月のドル円相場は、2月の円急反発後の戻りを確認しながら、日米金融政策と日本の春闘結果を見極める月となりました。
2月に160円手前から大きく反落したことで、短期的な円売りポジションの巻き戻しは一巡したものの、日米金利差は依然として大きく、ドル円は下げ切れない展開となりました。

米国では、3月のFOMCで政策金利が据え置かれました。
FRBはインフレや雇用の動向を慎重に確認する姿勢を維持しており、追加利下げを急ぐというよりも、経済指標を見ながら判断する姿勢が続いています。
このため、米金利が大きく低下しない場面ではドル買いが入りやすく、ドル円の下値を支える要因となりました。

一方、日本では春闘の結果が大きな注目材料となりました。
主要企業の賃上げ率が5%を超える水準となり、賃金と物価の好循環を重視する日銀にとっては、追加利上げを後押しする材料となります。

ただし、日銀は急速な利上げには慎重な姿勢を維持しており、市場では「利上げはあるが、ペースは緩やか」との見方も根強く残りました。
そのため3月のドル円は、円高方向への材料を抱えながらも、米金利の底堅さと日銀の慎重姿勢によって下値も限定されやすい相場となりました。

2. 地政学リスク・政治リスク

  1. 春闘による日銀利上げ観測
    2026年の春闘では、主要企業の賃上げ率が5%を超える水準となりました。
    賃金上昇が物価上昇を伴って継続する場合、日銀の追加利上げ観測が強まり、円買い材料となりやすい状況です。
  2. FRBの据え置き姿勢
    FRBは3月会合で政策金利を据え置き、追加利下げには慎重な姿勢を維持しました。
    米金利が高止まりする場合、ドル円は下値を支えられやすくなります。
  3. 中東情勢と原油価格
    中東情勢の緊張が続く場合、原油価格上昇を通じてインフレ再燃懸念が強まります。
    米国ではドル買い要因、日本では輸入物価上昇による円安要因となる可能性があり、為替の方向感を複雑にします。
  4. 日本政府の円安けん制
    ドル円が再び156円台後半から158円台へ向かう場合、日本政府・財務省による円安けん制発言が強まりやすくなります。
    高値圏では介入警戒による急落リスクを意識する必要があります。

3. テクニカル分析

時間軸 主要ポイント
週足 160円手前からの調整後、150円台前半〜半ばで下げ止まりを確認する展開。中長期の上昇トレンドは残るが、上値では介入警戒が意識される。
日足 152円台〜157円台の広いレンジ形成。春闘結果やFOMC後の米金利動向を材料に、レンジ内で上下しやすい。
4時間足 短期的には153.00円〜157.00円の往来相場。157.00円〜157.50円が上値抵抗、153.00円〜152.50円が下値支持として意識される。

4. 注目経済指標

注目イベント 影響度 ポイント
FOMC ★★★★★ 政策金利は据え置き。今後の利下げ時期とパウエル議長の発言が焦点。
日銀金融政策決定会合 ★★★★★ 春闘結果を受けた追加利上げへの姿勢に注目。タカ派姿勢なら円買い要因。
春闘結果 ★★★★★ 5%超の賃上げは、日銀の追加利上げ観測を支える材料。
米CPI(消費者物価指数) ★★★★★ インフレ鈍化ならドル売り、上振れなら米金利上昇からドル買い要因。
米雇用統計 ★★★★★ 労働市場が底堅ければドル買い、減速が鮮明なら追加利下げ観測からドル売り要因。

5. 3月の戦略シナリオ

シナリオ 注目水準
強気シナリオ 157.50円を明確に突破した場合、159.00円〜160.00円方向を再び試す展開。ただし介入警戒が強まりやすい。
レンジシナリオ 153.00円〜157.50円の範囲で推移。FOMC、日銀会合、春闘結果を材料に上下する展開。
弱気シナリオ 153.00円を明確に割り込む場合、151.50円〜150.00円付近まで調整する可能性。

リスク管理


2026年3月のドル円相場は、FOMCの据え置き、日銀会合、春闘による5%超の賃上げが重なり、日米金融政策の方向性を見極める月となりました。
日本の賃金上昇は日銀の追加利上げ観測を支える一方、FRBが追加利下げを急がない姿勢を示したことで、ドル円の下値も限定されやすい環境です。

基本シナリオとしては153.00円〜157.50円のレンジを想定しつつ、157.50円突破では160円方向、153円割れでは150円台前半への調整を警戒する展開です。
3月は一方向に決め打ちするよりも、春闘結果を受けた日銀の反応と、米インフレ・雇用指標による米金利の動きを確認しながら取引したい局面です。