週足チャート

日足チャート

4時間足チャート


1. ファンダメンタルズ分析

2026年3月のXAU/USD相場は、1月から2月にかけての急騰相場から一転し、高値圏から大きく調整する月となりました。
2月までは米関税リスクや地政学リスクを背景に安全資産需要が強く、金は5,000ドル台で推移していましたが、3月は米金利高止まり観測とドル高が金価格の重荷となりました。

3月18日のFOMCでは、FRBが政策金利を3.50%〜3.75%に据え置きました。
FRBはインフレを2%目標へ戻す姿勢を維持し、追加利下げを急がない姿勢を示しました。
金は利息を生まない資産であるため、米金利が高止まりする局面では売り圧力を受けやすくなります。

また、中東情勢の緊張によりエネルギー価格が上昇し、インフレ再燃への警戒が強まりました。
通常、地政学リスクは金買い材料になりやすいものの、今回は「インフレ再燃によってFRBが利下げしにくくなる」との見方が優勢となり、米金利上昇を通じて金の上値を抑える要因となりました。

3月中旬には、ドル高と米金利高止まり観測を背景に、金価格が5,000ドルを割り込み、4,800ドル台まで下落する場面がありました。
1月から2月にかけて買いが積み上がっていた分、利益確定売りやポジション調整も出やすく、下落幅が大きくなりました。

一方で、中央銀行による金購入、米財政赤字への警戒、地政学リスクは引き続き中長期の下支え材料です。
そのため3月のXAU/USDは、短期的には調整色が強まりつつも、4,800ドル台〜5,000ドル台では押し目買いも入りやすい相場となりました。

2. 地政学リスク・政治リスク

  1. FRBの据え置きと利下げ期待後退
    FRBは3月会合で政策金利を据え置きました。
    追加利下げを急がない姿勢が意識される場合、米金利高止まりとドル高を通じて金価格の上値を抑える要因となります。
  2. 中東情勢とインフレ再燃リスク
    中東情勢の悪化によりエネルギー価格が上昇すると、インフレ再燃懸念が高まります。
    地政学リスク自体は金買い材料ですが、インフレによる米金利上昇が強く意識される局面では、金売り要因にもなります。
  3. ドル指数と米10年債利回り
    3月はドル高と米10年債利回りの上昇が金価格を圧迫しました。
    金はドル建てで取引されるため、ドル高局面では割高感が出やすくなります。
  4. 中央銀行買い
    新興国を中心とした中央銀行の金購入は、金市場の長期的な支援材料です。
    短期的に金が下落しても、準備資産の分散需要が続く限り、押し目買いが入りやすい環境です。
  5. 米関税・通商政策
    関税政策はインフレや企業コストを押し上げる可能性があります。
    通商不安は安全資産需要を支える一方、インフレ懸念から米金利高止まりにつながる場合は金の重荷となります。

3. テクニカル分析

時間軸 主要ポイント
週足 5,300ドル台から調整が進み、5,000ドルを割り込む展開。長期上昇トレンドは維持されるが、短期的には調整局面。
日足 5,000ドル割れで売りが加速。4,800ドル〜5,050ドルのレンジ形成が意識され、5,050ドル回復が反発継続の条件。
4時間足 短期的には4,800ドル〜5,000ドルの往来相場。5,000ドル回復なら買い戻し、4,800ドル割れでは4,600ドル方向への調整に注意。

4. 注目経済指標

注目イベント 影響度 ポイント
FOMC ★★★★★ 3月会合では政策金利を据え置き。追加利下げ時期とパウエル議長の発言が焦点。
米CPI ★★★★★ インフレ上振れなら米金利上昇から金売り、鈍化なら利下げ期待から金買い要因。
米PCEデフレーター ★★★★★ FRBが重視するインフレ指標。鈍化すれば利下げ期待が再燃しやすい。
米雇用統計 ★★★★★ 雇用悪化なら利下げ期待から金買い、強い結果ならドル高・金利高から金売り要因。
ドル指数 ★★★★☆ ドル高は金売り、ドル安は金買い要因として機能しやすい。
米10年債利回り ★★★★★ 利回り上昇は金売り、利回り低下は金買い要因となりやすい。
中東情勢 ★★★★☆ 地政学リスクとインフレ再燃リスクの両面から金価格に影響。
米関税・通商ニュース ★★★★☆ 通商不安は安全資産需要を支える一方、インフレ懸念を通じて金利高要因にもなる。

5. 3月の戦略シナリオ

シナリオ 想定レンジ・注目水準
強気シナリオ 5,050ドルを明確に回復した場合、5,200ドル〜5,300ドル方向への買い戻しを試す展開。
レンジシナリオ 4,800ドル〜5,050ドルの範囲で推移。FOMC、米CPI、米金利、ドル指数を材料に上下する展開。
弱気シナリオ 4,800ドルを明確に割り込む場合、4,600ドル〜4,500ドル付近まで調整する可能性。

リスク管理

  • FOMC・米CPI・米PCE・米雇用統計の前後はポジションサイズを抑える。
  • 5,000ドル付近では買い戻しと戻り売りの両方を想定する。
  • 4,800ドル付近では押し目買いと下抜けブレイクを混同しない。
  • ドル指数と米10年債利回りを必ず確認する。
  • 中東情勢による急変動に備え、週末持ち越しポジションは慎重に管理する。
  • 1回の取引で総資金の2%以上を失わないよう、資金管理を徹底する。

2026年3月のXAU/USD相場は、FOMC据え置きと米金利高止まり観測、ドル高を背景に、1月から2月にかけての急騰相場から調整する月となりました。
中東情勢による安全資産需要は残るものの、インフレ再燃懸念がFRBの利下げを遅らせるとの見方が強まり、金価格の上値を抑えました。

基本シナリオとしては4,800ドル〜5,050ドルのレンジを想定しつつ、5,050ドル回復では5,200ドル〜5,300ドル方向、4,800ドル割れでは4,600ドル〜4,500ドル方向への調整を警戒する展開です。
3月は高値圏からの調整局面であるため、米金利・ドル指数・FOMC後の市場反応を確認しながら慎重に取引したい局面です。