週足チャート

日足チャート

4時間足チャート


1. ファンダメンタルズ分析

2026年4月のドル円相場は、月末にかけて非常に大きな値動きとなりました。
3月までの流れでは、春闘による高い賃上げ率を背景に日銀の追加利上げ観測が残っていたものの、米金利の底堅さや中東情勢によるリスクオフのドル買いもあり、ドル円は高値圏で推移しやすい状況でした。

4月28日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置きました。
ただし、9名の政策委員のうち3名が1.00%への利上げを主張しており、日銀内で金融正常化を進める意見が強まっていることも確認されました。

本来であれば、利上げを主張する委員が増えたことは円買い材料となります。
しかし、市場では「今回も据え置きだった」「次回利上げまで時間がある」と受け止める動きもあり、ドル円は一時160円台に接近しました。

その後、4月30日には日本政府・財務省による強い円安けん制が入り、さらに日本当局が為替市場で円買い介入を行ったとの観測が広がりました。
これによりドル円は一時155円台まで急落し、高値圏での円売りポジションが大きく巻き戻される展開となりました。

4月のドル円は、日米金利差による円安圧力が残る一方で、160円付近では日本当局の介入警戒が極めて強くなることを改めて示した月となりました。

2. 地政学リスク・政治リスク

  1. 日本当局による為替介入
    4月30日、ドル円が160円台に接近した後、日本当局による円買い介入観測が強まり、ドル円は短時間で大きく下落しました。
    160円付近では投機的な円売りへの警戒が強く、今後も急落リスクを意識する必要があります。
  2. 日銀の政策委員内のタカ派化
    4月会合では政策金利は据え置かれたものの、3名の委員が1.00%への利上げを主張しました。
    日銀内で追加利上げに前向きな意見が増えていることは、今後の円買い材料となります。
  3. 中東情勢によるリスクオフ
    中東情勢の緊張により、金融市場ではリスクオフの動きが出やすくなりました。
    リスク回避では円買いが入りやすい一方、ドルも安全資産として買われやすく、ドル円の方向感は複雑になりやすい局面です。
  4. 米金利の高止まり
    FRBが追加利下げに慎重な姿勢を維持する場合、米金利は高止まりしやすく、ドル円を下支えします。
    一方で、米指標が弱い内容となれば追加利下げ観測が強まり、ドル売り要因となります。

3. テクニカル分析

時間軸 主要ポイント
週足 160円付近まで上昇した後、介入観測により急反落。長期上昇トレンドは残るものの、160円台は強い上値抵抗として意識される。
日足 155円台〜160円台の広いレンジ。急騰後の急落により、上値追いには慎重さが必要。155円付近が短期的な下値支持。
4時間足 介入観測後はボラティリティが急拡大。155.00円〜156.00円が下値支持、158.50円〜160.00円が上値抵抗として意識される。

4. 注目経済指標

注目イベント 影響度 ポイント
日銀金融政策決定会合 ★★★★★ 政策金利は0.75%で据え置き。ただし3名が1.00%への利上げを主張し、次回以降の利上げ観測が強まった。
日本政府・財務省発言 ★★★★★ 160円接近時には円安けん制や為替介入への警戒が極めて強まりやすい。
米CPI(消費者物価指数) ★★★★★ インフレが上振れすれば米金利上昇からドル買い、鈍化すれば追加利下げ観測からドル売り要因。
米雇用統計 ★★★★★ 労働市場が底堅ければドル買い、減速が鮮明ならドル売り要因。
中東情勢・原油価格 ★★★★☆ 原油価格上昇はインフレ再燃懸念につながり、米金利や日本の輸入物価に影響する。

5. 4月の戦略シナリオ

シナリオ 注目水準
強気シナリオ 158.50円を明確に上抜けした場合、160.00円方向を再び試す展開。ただし160円付近では介入警戒が極めて強い。
レンジシナリオ 155.00円〜160.00円の広いレンジで推移。日銀観測、米指標、介入警戒を材料に上下する展開。
弱気シナリオ 155.00円を明確に割り込む場合、153.50円〜152.00円付近まで調整する可能性。

リスク管理


2026年4月のドル円相場は、160円接近と日本当局による為替介入観測が最大のテーマとなりました。
日銀は政策金利を据え置いたものの、3名の委員が利上げを主張したことで、次回以降の追加利上げ観測は強まりました。

基本シナリオとしては155.00円〜160.00円の広いレンジを想定しつつ、160円付近では為替介入警戒、155円割れでは調整拡大に注意したい局面です。
4月は日米金利差だけでなく、日本政府・財務省の発言や実際の介入観測が相場を大きく動かすことを再確認する月となりました。